脱出ゲーム。特定の空間に閉じ込められたプレイヤーが,ゲーム内に配置されているヒントやアイテムを集めることで,文字どおりその空間からの脱出を目指すゲームだ。作りと設定がシンプルなこともあり,uggブーツ,Web上には有志によって作られた無料でプレイできる脱出ゲームも多数ある。一見すると簡単そうに見えるのだが,どれも手が込んでいてそう簡単には攻略できず,意外とはまってしまう。 それをさらに発展させたのが「リアル脱出ゲーム」だ。何がリアルかというと,舞台が現実なのである。実際に複数の参加者を集め,マンションの一室から遊園地や野球場までさまざまな場所を会場にし,ムートンブーツugg,そこから参加者が知恵を絞って脱出しようとする大規模なアトラクションとなっている。FPSで飽き足らなくなった人がサバイバルゲームに手を出すようなものだろう。具体的にどのようなものかは,の「」の記事でも紹介しているので,合わせてご参照いただきたい。 そして今回の「」で紹介するのは,そんなリアル脱出ゲームを題材にした『楽園島からの脱出』だ。しかし,ゲームとしては面白そうだが,それが小説になった時,果たして面白いものになるのか? そう考える人もいるだろうが安心してほしい。本作を手がけるのは特定のゲームを題材に,これまでさまざまな小説を手がけてきた土橋真二郎だ。実際のゲームに勝るとも劣らない,緊張と興奮の物語がここに幕を開ける。 『楽園島からの脱出』 著者:土橋真二郎 イラストレーター:ふゆの春秋 出版社/レーベル:アスキー?メディアワークス/電撃文庫 価格:620円(税込) ISBN:978-4-04-886597-5 ●高校生活,最後の夏休みの思い出になるはずが…… 一般の生徒から参加者を募り,リアルなゲームを開催することを目的とした「極限ゲームサークル」。高校生活最後の夏休みを目前に控えた彼らのもとに,活動のスポンサーとなっているOBから,ラストゲームの企画が持ち込まれる。 ゲーム名は「ブリッツ」。会場不明。具体的な内容は不明。期間も不明。参加費は必要なく,それどころか賞金まで出るという。もう,いろいろと怪しい。こんなうさんくさい話にほいほい乗っかると,負けたら別室行きのじゃんけんゲームとかに参加する羽目になるので気をつけてほしい。しかし極限ゲームサークルの活動に参加経験のある生徒たちは,ゲームがもたらすスリルと興奮に魅せられ,進んでゲームに参加しようとする。若さゆえの過ちである
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